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ロジカルシンキングの落とし穴とは? 筋の通った判断が逆の結論になった実例と、客観的に見直す4つの方法
ロジカルシンキングで筋の通った判断をしても、見る期間・数字の定義・取得時点・前提が狭いと逆の結論になります。広告運用とEC支援の現場でLOCAL COREが実際に判断を誤りかけた4つの実例と、判断の前に必ず通している「客観的に見直す4つのルール」を紹介します。
01ロジカルに考えたのに、なぜ判断を誤ったのか
ある案件で、検索広告のキーワードを1つ止めました。直近2週間、費用はかかっているのに、成果(問い合わせ)は1件もない。費用がかかる、成果がない、だから止める。論理としては、どこもおかしくありません。
ところが少し前までさかのぼると、このキーワードは前の月、その広告の中で一番成果を出していたものでした。3か月で見直すと、1件あたりの獲得費用は目標の半分以下。止める理由はありませんでした。
直近2週間で見る成果ゼロ。費用だけが出ている → 止める
3か月で見る成果が出ている。獲得費用は目標の半分以下 → 続ける
成果が出た週費用だけが出た週
論理が間違っていたのではありません。論理に渡した材料の切り取り方が狭かった。正しい手順で、間違った結論にたどり着いていました。
02ロジカルな思考と客観的な見方は、何が違うのか
私たちの仕事の中での使い分けは、こうです。
- ロジカルな思考:手元の材料から、筋道を立てて結論を組み立てること
- 客観的な見方:組み立てた論理の外側に一度出て、材料と前提そのものが偏っていないかを確かめること
ロジカルな思考は「材料が正しければ、結論も正しい」ことを保証してくれます。けれど、材料が偏っていることには気づかせてくれません。そこを補うのが客観的な見方です。どちらか一方ではなく、論理で組み立て、客観で確かめるという順番で使っています。
03客観的に見直す4つの方法
客観的に、と言うのは簡単ですが、心がけだけでは続きません。私たちは次の4つの見方に分けて、判断のたびに当てはめています。
| 見方 | 何をするか | 私たちが誤りかけた例 |
|---|---|---|
| 期間を変える | 直近だけでなく、長い期間でも同じ数字を見る | 前の月に一番だった広告を、2週間の数字で止めた |
| 定義をそろえる | 比べている数字が、同じものを数えているか確かめる | 「新規のお客様」の定義が2つ混ざり、逆転して見えた |
| 時点をそろえる | 数字をいつ取ったかを確かめる | 後から計上される成果が抜け、「半減」に見えた |
| 前提を数字で確かめる | なんとなく共有されている前提を、データで確かめる | 「冬は売上が落ちる」と思っていたが、12月は年間2番目の山だった |
期間を変える:短い期間だけで止めない
冒頭の例がこれにあたります。直近の数字は「何かが起きている」と気づくには役立ちますが、「止める・続ける」を決めるには短すぎることがあります。とくに成果の件数が少ないものほど、短い期間では偶然の偏りが大きく出ます。
定義をそろえる:同じ言葉で別のものを数えていないか
ある通販サイトの分析で、新規のお客様のほうが、既存のお客様より多く買っているという結果が出ました。もっともらしい理由も、いくつか考えられました。
ところが集計をたどると、片方は「会員登録をしていない人」、もう片方は「初めて注文した人」を数えていました。似ていますが、別のものです。定義をそろえると、逆転は消えました。理由を考える前に、その数字が何を数えたものかを1行で書き出すべきでした。
時点をそろえる:「半減」は本当に半減か
広告の成果は、後日になって加算されることがあります。月の途中で前の期間と比べたとき、成果が半分になったように見えたことがありました。
取り直してみると、比べていた2つの期間は、数字を取った時点が違っていました。後から加算される分が、片方だけ抜けていたのです。時点をそろえると、実際の減少は約3割でした。減っているので対策は必要です。ただ、「半減」と「3割減」では、打つ手の大きさが変わります。
前提を数字で確かめる:「冬は落ちる」は本当か
食品の通販を支援している案件で、「冬は売上が落ちる時期」という前提で計画を立てかけたことがあります。過去の注文を月ごとに並べると、12月は年間で2番目に売れる月でした。落ちるのは、年が明けてからです。
この前提は、誰かがデータを見て言ったものではなく、なんとなく共有されていたものでした。前提こそ、一度は数字で確かめる。ここを飛ばすと、上に積んだ論理がどれだけ正しくても、結論はずれます。
04判断の前に必ず通す、4つのルール
「気をつけよう」では続きません。私たちは次の4つを、運用の決まりとして文書にしています。AIに作業を任せるときも、この決まりを毎回読ませています。
- 止める・外す判断は、過去6か月で見る。 直近2週間や1か月の数字だけで止めない。止める前に、全期間でも1回見る
- 比べる数字は、取った時点をそろえる。 1本のレポートの中は、同じ時点の数字だけで作り、取得日を残す
- 数字の定義を先に書く。 「新規」「成果」が何を数えたものかを、表の横に1行で書く
- 前提は、計画に使う前に数字で確かめる。 「毎年こうだ」という話は、過去のデータを月ごとに並べてから使う
1つ目のルールには続きがあります。6か月で見ても成果ゼロだった少額のキーワードを、念のため2年以上さかのぼって見直したところ、どれも過去に成果が出ていました。量が少ないものほど、短い期間では判断の材料が足りません。
05ロジカルな思考を捨てるわけではない
ここまでの例は、どれも論理の筋道は正しいものでした。問題は、論理に渡す材料と、前提の側にありました。
だから私たちは、結論を出したら一度その外側に出て、期間・定義・時点・前提を変えて見直します。結論が変わらなければ、自信を持って進めます。結論が変わったら、そこで止まれたことが成果です。
06よくある質問
Q. ロジカルシンキングの落とし穴は何ですか?
筋道が正しくても、論理に渡す材料が偏っていると、結論も偏ることです。私たちの経験では、見る期間が短い、数字の定義が混ざっている、数字を取った時点がずれている、前提を確かめていない、の4つが原因でした。どれも論理そのものを点検しても見つからないため、材料と前提の側を別に確かめる必要があります。
Q. データで判断を誤らないために、最初に何をすればよいですか?
比べる数字の「定義」と「取った時点」を、表の横に1行で書くことから始めるのがおすすめです。私たちが誤りかけた例の半分は、この2つのずれが原因でした。書き出すだけで、同じ言葉で別のものを比べていることに気づけます。
Q. 長い期間で見ると、最近の変化を見落としませんか?
見落とさないために、両方を並べます。直近の数字は「何かが起きている」と気づくために使い、長い期間の数字は「止める・続ける」を決めるために使います。役割を分けておくと、片方だけで決めてしまうことがなくなります。
Q. 客観的に見るには、第三者に確認してもらうべきですか?
いれば理想ですが、毎回は難しいはずです。私たちは4つの見方を決まりにして、一人でも外側から見直せるようにしています。それでも迷ったときだけ、別の人にも見てもらいます。
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